はじめてのHPVワクチン ゼロからわかるポータルサイト ④ワクチンの安全性は?

④ワクチンの安全性は?

HPVワクチンのリスク

HPVワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。
まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)※1が起こることがあります。

<HPVワクチン接種後に生じた症状の報告頻度><HPVワクチン接種後に生じた症状(重篤)の報告頻度>

※1 重いアレルギー症状:呼吸困難やじんましん等(アナフィラキシー)、神経系の症状:手足の力が入りにくい(ギラン・ バレー症候群)、頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))等
※2 HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があった数(副反応疑い報告制度における報告数)は、企業からの報告では販売開始から、医療機関からの報告では平成22(2010)年11月26日から、令和5(2023)年6月末時点までの報告の合計。出荷数量より推計した接種者数(サーバリックス®およびガーダシル®は413万人、シルガード®9は32.9万人)を分母として1万人あたりの頻度を算出。
※3 重篤な症状には、入院相当以上の症状などがふくまれていますが、報告した医師や企業の判断によるため、 必ずしも重篤でないものも重篤として報告されることがあります。

痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動について

  • ワクチンの接種を受けた後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが報告されています。
  • この症状は専門家によれば「機能性身体症状」(何らかの身体症状はあるものの、画像検査や血液検査を受けた結果、その身体症状に合致する異常所見が見つからない状態)であると考えられています。
  • 症状としては、①知覚に関する症状(頭や腰、関節等の痛み、感覚が鈍い、しびれる、光に対する過敏など)、②運動に関する症状(脱力、歩行困難、不随意運動など)、③自律神経等に関する症状(倦怠感、めまい、睡眠障害、月経異常など)、④認知機能に関する症状(記憶障害、学習意欲の低下、計算障害、集中力の低下など)などいろいろな症状が報告されています。
  • 「HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安等が機能性身体症状をおこすきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい」と専門家によって評価されています。
  • また、同年代のHPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が一定数存在することが明らかとなっています。
  • このような「多様な症状」の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません。
  • ワクチンの接種を受けた後や、けがの後などに原因不明の痛みが続いたことがある方は、これらの状態が起きる可能性が高いと考えられているため、接種については医師とよく相談してください。

安全性を定期的に確認しています

接種が原因と証明されていなくても、接種後に起こった健康状態の異常について報告された場合は、審議会(ワクチンに関する専門の会議)※において一定期間ごとに、報告された症状をもとに、ワクチンの安全性を継続して確認しています。

※厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会 等

予防接種健康被害救済制度について

極めてまれですが、予防接種を受けた方に重い健康被害を生じる場合があります。

HPVワクチンに限らず、日本で承認されているすべてのワクチンについて、ワクチン接種によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた場合は、法律に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。

その際、「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も救済の対象とする」という日本の従来からの救済制度の基本的な考え方にそって、救済の審査を実施しています。 令和5(2023)年3月末までに救済制度の対象となった方※1は、審査された602人中、357人※2です。

予防接種による健康被害についてのご相談は、お住まいの区市町村の予防接種担当部門にお問い合わせください。

※1 ワクチン接種に伴って一般的に起こりえる過敏症など機能性身体症状以外の認定者もふくんだ人数
※2 予防接種法に基づく救済の対象者については、審査した計64人中、36人
独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(PMDA法)に基づく救済の対象者については、審査した計538人中、321人です。

HPVワクチン接種の注意点

  • 筋肉注射という方法で接種しますが、注射針を刺した直後から、強い痛みやしびれを感じた場合はすぐに医師にお伝えください。
  • 痛みや緊張等によって接種直後に一時的に失神や立ちくらみ等が生じることがあります。接種後30分程度は安静にしてください。
  • 接種を受けた日は、はげしい運動は控えましょう。
  • 接種後に体調の変化が現れたら、まずは接種を行った医療機関などの医師にご相談ください。

    HPVワクチン接種後に生じた症状の診療を行う協力医療機関をお住まいの都道府県ごとに設置しています。
    協力医療機関の受診は、接種を行った医師またはかかりつけの医師にご相談ください。

  • HPVワクチンは、合計2回または3回接種しますが、接種した際に気になる症状が現れた場合は、それ以降の接種をやめることができます。
出典:
厚生労働省パンフレット
「HPVワクチンについて知ってください」より

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