
日本では、小学校6年~高校1年相当の女の子を対象に、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチン(HPVワクチン)の接種を提供しています。
対象者は公費により接種を受けることができます。
現在日本において公費で受けられるHPVワクチンは、防ぐことができるHPVの種類(型)によって、2価ワクチン(サーバリックス®)、4価ワクチン(ガーダシル®)、9価ワクチン(シルガード®9) の3種類あります。
一定の間隔をあけて、同じワクチンを合計2回または3回接種します。接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。
どのワクチンを接種するかは、接種する医療機関に相談してください。

3種類いずれも、1年以内に接種を終えることが望ましいとされています。
※1 1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
※2・3 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※2)、3回目は2回目から3か月以上(※3)あけます。
※4・5 2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の1か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※4)、3回目は1回目から5か月以上、2回目から2か月半以上(※5)あけます。

サーバリックス®およびガーダシル®は、子宮頸がんをおこしやすい種類(型)であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます※1。
シルガード®9は、 HPV16型と18型に加え、ほかの5種類※2のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます※3。
※1・3 HPV16型と18型が子宮頸がんの原因の50~70%を占め(※1)、HPV31型、33型、45型、52型、58型まで含めると、子宮頸がんの原因の80~90%を占めます(※3)。
また、子宮頸がんそのものの予防効果については引き続き評価が行われている状況ですが、これまでのサーバリックス®およびガーダシル®での知見を踏まえると、子宮頸がんに対する発症予防効果が期待できます(※3)。
※2 HPV31型、33型、45型、52型、58型
公費で受けられるHPVワクチンの接種により、
感染予防効果を示す抗体は少なくとも12年維持される可能性があることが、これまでの研究でわかっています※4。
※4 ワクチンの誕生(2006年)以降、期待される効果について研究が続けられています。

「9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン ファクトシート」(国立感染症研究所)をもとに作成
研究1:Onuki, M., et al. (2009). Cancer Sci 100(7): 1312-1316.
研究2:Azuma, Y., et al. (2014). Jpn J Clin Oncol 44(10): 910-917.
研究3:Sakamoto, J., et al. (2018). Papillomavirus Res 6: 46-51.
海外や日本で行われた疫学調査(集団を対象として病気の発生などを調べる調査)では 、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。
また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
HPVワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人※5ががんにならなくてすみ、約20人※6の命が助かる、と試算されています。
※5 59~86人
※6 14~21人
- 出典:
- 厚生労働省パンフレット
「HPVワクチンについて知ってください」より